僕もそうだけど、これThis、あれThatと機械的に憶えさせられていると思う。でも実際に暮らしていると、thisの守備範囲の狭さには本当にがっかりさせられる。
結局のところThisは手に届く範囲のモノしか指示することができないので、まだ手に入れていないもの、概念上のもの、などを含めて多くの場合はThatで言うことになる。日本語の「それ」もthatに含まれる(itはどうしていいか悩ましい場合に遣うと逃げおおせることが多いけど、まだ頭の中が整理できていないので今回は深掘りしない)。
どうやらThisと充実した瞬間を過ごせる用法はthis oneとか目の前に実体として認識できるものぐらいしかないのだ(僕の場合はthisを遣ううちの97パーセントくらいはthis oneだと思う)。してみると、電話はお互いに受話器を手にしているという実感がThis is Jane.みたいに言わせてるんじゃないだろうか?その点、thatはAll, true, fineなどと組み合わせて便利に使える、いい子。お店で注文したときに「ご注文は以上ですか?」と問われてThat’s all.が「これで全部」という意味になるのはまだ実際に手に入れていない事実があるからなんだろう。
This boy(元カレ)がthat boy(今カレ)について元カノに恨み節を言う、古い唄があるけど、thatのもつ心理的な距離感が解ると深く納得できる。ような気がする。MS
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