冬季は道路が凍結しっぱなしなのと、そのせいで道路が傷んでいることが多い事情から、エドモントンではマウンテンの比率が高いです。日本でママチャリに乗るような層はそもそも自転車になんかに乗りませんから自転車シーンの温度は自ずと熱く、ビシッと決まったアーバン系コミューターもたくさんいるし、春になるとロードレーサーがわらわら出てきます。画像はガーノー地区のショットですが、エドモントンでは数年前から自転車専用レーンの設置を強く推進していて、クルマが一方通行の道路でさえこのように二車線のレーンがあるのです。さて、私たちはどのように自転車と関わればよいのでしょうか。
家族持ち、長期(3年以上)、裕福、のいずれかが当てはまる場合は素直にクルマを用意しましょう。単身の場合は自転車にLRTとバス(どちらも裸のまま持ち込める)を組み合わせると、市内であればまずまず快適です、冬場を除けば。
乗れればいいよ、10キロは漕がないし、えっ部屋に入れるの!?、のいずれかが当てはまる場合は中古の自転車を用意しましょう。僕の場合はEdmonton Bicycle Commuters Society が5月に開いている中古市で旧いMTBを購入しました。古いおかげでフレームは激重でも今では貴重なMade in USA。6月にもAlberta Bike Swapがあるし、個人売買も盛んなので100ドル台から手に入れることが可能です。同じような価格帯でウォルマートなどで売っているルック車を買うよりずっといいと思います。
実際に自転車が移動手段として十分に使えることが判明したため、冬季使用を視野に入れてもう少しちゃんとした自転車を買うことにしました。日本ではフレームを買って自分で組んでいたのですが、ツールや細々としたパーツが手元にない事情から今回は完成車を買わざるをえません。専門店を回ってるうちにカナダの自転車事情が分かってきたので参考までに紹介します。
・日本と同様かそれ以上に「一期一会」感は高い。気に入ったモデルがあったらその場で買う以外に入手は困難でしょう。店の方でも売る前から展示車に店のステッカーを貼ってあったりします。世界中に供給している大きなブランドの場合、全般に日本との価格差はあまりないようです。トレックとかサーリーとか半分イメージで売ってるようなアメリカンブランド(個人の感想です)のはカナダのほうが安く手に入ります。
・カナディアンブランドについて。第一候補だったKonaはカナダでもやっぱり見かけません。対面販売を徹底しているくせにカナダ国内限定でネット直販やってるのも謎。いっぽうNorcoやRocky Mountainは何処にでも売ってます。リーズナブルでどっかで見たような感じのものが多いですが(個人の感想です)。そのほかカナダのメーカーはいろいろあって、エントリークラスのものだとフィニッシュなんかがカナダ的な造りだな。という印象があります(やっぱり感想です)。実際に乗ると良いのかもしれないし、その多くは日本には正規代理店がないようなので、日本に持ち帰ると怪しい感じがして素敵かも。いっぽうでハイエンドクラスはすごく良いものもあるようです。
・油圧ディスクブレーキに汎用されているミネラルオイルは-20度くらいになるとタッチが悪くなってしまうそうです。Norcoはそういう理由からDOT4を採用しているモデルもあるとか。もしくは機械式ですね。リムブレーキなんかは冬場はもうぜんぜんダメだと思う。
結局、私は大手UKネット通販で少し前に流行ったグラベル系ロードを取り寄せました。ほんとうはマウンテンのほうが安心なのですが、オフ車は日本に組んだものが3台とフレームが3本あるので持ち帰る気が起きないんですね。また、上述の通り欲しいものに出会える確率はかなり低いため、残念ながら今回は店頭でお目当てが見つかりませんでした。エドモントンの自転車屋は何処も感じが良かっただけに残念です。実は近所の老舗でド定番クロモリロードに決めかけましたが、エドモントンでは除雪作業で塩化カルシウムと砂を道路に撒きまくるため、鉄フレームは諦めました。素敵な自転車ライフを。MS